足尾山塊 後袈裟丸山(1910m)、中袈裟丸山(1900m)、奥袈裟丸山(1961m)、 2013年6月29日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  5:07 郡界尾根登山口−−5:44 1415.1m三角点−−7:16 後袈裟丸山 7:37−−8:00 中袈裟丸山−−8:50 1957.9m三角点−−9:02 奥袈裟丸山 9:23−−10:08 中袈裟丸山−−10:29 後袈裟丸山 10:43−−11:35 1415.1m三角点−−11:54 郡界尾根登山口

場所栃木県日光市(旧足尾町)/群馬県沼田市(旧利根村)
年月日2013年6月29日 日帰り
天候曇り→晴れ→曇り
山行種類一般登山+籔山
交通手段マイカー
駐車場登山口に駐車場あり
登山道の有無後袈裟丸山まであり。後袈裟丸山〜奥袈裟丸山は踏跡程度
籔の有無後袈裟丸山〜奥袈裟丸山は石楠花、笹藪あり
危険個所の有無無し
山頂の展望後袈裟丸山:東〜南に展望あり
中袈裟丸山:東に展望あり
奥袈裟丸山:東に展望あり
GPSトラックログ
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コメント郡界尾根登山口から奥袈裟丸山を往復。登山口へは舗装道路の続くみどり市側からのアプローチが正解。沼田市側は一般道の距離は短いが最後の1kmくらいが相当酷いダートで車高が高い&4WDでないと厳しい。登山口から後袈裟丸山まで良好な登山道が続くが、後袈裟丸山〜奥袈裟丸山間は踏跡程度。特に傾斜のある南斜面は笹が深く踏跡の両側から覆い被さっていて笹が濡れていると靴の中まで濡れるため、ゴアだけでなくロングスパッツの併用が必要




郡界尾根登山口駐車場 郡界尾根登山口。今は市界尾根か
ルート案内標識
階段ありの良好な道 大きな岩の横を通過
ひし形の古い標識が点在する 標高1330m付近の緩斜面
標高1360m付近 1415.1m三角点(八重樺原)
東側が開けたなだらかな尾根を進む 若い唐松が点在。ガスが薄くなってきた
再び樹林帯に突入 1460m鞍部からの登り返し
境の十二様(1480m付近) 1560m付近
1670m付近の露岩 1700m付近から見た前袈裟丸山
1800m付近 1850m付近から見た前袈裟丸山
1850m付近から見た中袈裟丸山、奥袈裟丸山 もうすぐ後袈裟丸山
後袈裟丸山山頂。昔は樹林以外何も無かった 後袈裟丸山から見た前袈裟丸山
後袈裟丸山から見た北側
後袈裟丸山から見た鋸山
後袈裟丸山の山頂に立つ案内標識
北に向かう。道は細くなり籔で足が濡れる 後袈裟丸山を振り返る。下界は雲海
北斜面は籔が薄く歩きやすい 中袈裟丸山のピーク
中袈裟丸山の登りにかかると笹が濃くなる 中袈裟丸山山頂。狭い
中袈裟丸山の山頂標識 なおも北上
目印と踏跡を辿る 真っ赤に錆びて文字が消えた標識
やはり北斜面は籔が無い 南斜面になるとまた笹が登場
ガスの中に突入 1957.9m三角点
緩やかに下る尾根上は石楠花が多い 奥袈裟丸山山頂。狭い
石楠花。もう盛りは過ぎたのか少なかった 帰路の後袈裟丸山
帰路の境の十二様 1440m峰へ登る
1415.1m三角点峰 なぜか標識にモンキースパナあり
登山口到着。ここは晴れていた


 袈裟丸山は同じような高さのピークが南北方向に林立し、地形図を見るとその峰々に沿って山名が記載されているので具体的にどのピークを山頂と指すのか判断が難しい。以前は1等三角点のあるピークを山頂としていたと思うが、日本山名事典では南から順に前袈裟丸山(1878.2m)、後袈裟丸山(1910m)、中袈裟丸山(1900m)、奥袈裟丸山(1961m)と名前が付けられている。このうち中袈裟丸山と奥袈裟丸山が未踏であり、真夏になる前に出かけることにした。ルートはもちろん郡界尾根(今は市界尾根か)コースである。餅ヶ瀬川方面から周遊するのが面白そうだが、気温が高い時期に笹藪漕ぎはしたくない。

 郡界尾根登山口へは東側/西側どちらからでもアプローチ可能だが、高速道路から距離が短い西側から向かうことにした。昭和ICで降りて県道62号で旧大間々方面に向かい、県道257号線で根利に入り東を目指す。集落の中で道を誤ってワンデリング、左折して橋を渡る道に入り直して東に進むがこれまた直進ではNGで途中で右に入る必要あり。根利牧場の案内を目印に進むのがいい。牧場より先はダートだがまだ普通車で問題なし。ところが林道が右に分岐するところから道が悪化、河原を走るような大きめの砂利の道になってごくゆっくりと進んでいく。ここは車高が高く4WDの車が有利だ。酷い区間は1kmくらいだと思う。みどり市に入ると道の状態は急激によくなり少し進むと舗装道路に。みどり市側からアプローチすれば舗装道路で来られたのだった。郡界尾根登山口には標識があるのですぐわかり駐車場もあった。まだ朝早いので車は皆無、天気予報は曇り後雨なので時間に関係なく今日は登山者はいないかもしれない。

 登山道があるのは知っていたが、どれくらいメジャーかマイナーかは知らなかった。もしかしたら草ボウボウかもと覚悟していたが、実際は最初からしっかりと整備されて植生も背の高い落葉広葉樹林で地面付近に藪は無かった。昨夜の雨で濡れて滑りやすい丸太階段を注意して登っていくと苔むした大きな露岩が登場。ここは梯子で越える。袈裟丸山は赤城山同様に古い火山なので、露岩も火山礫が多く見られた。

 1415.1m三角点峰が近付くと傾斜が緩まり尾根が広がって高原のような感じになる。右手の斜面の樹林が切れて展望があるはずだが今はガスの中で見えない。三角点は登山道より僅かに西に引っ込んだ場所にあった。そこからしばらくは東側が開けたなだらかな稜線歩きが続くが、ここもまだガスの中。

 再び樹林帯に入って高度を上げる。いつの間にかガスの層を抜けたようで、知らぬ間に進行方向正面に樹林の隙間から太陽が見えるようになった。これなら山頂から展望が期待できるかな。標高1480m付近で小さな祠が登場、登山口の案内看板にあった境の十二様らしい。樹林の切れ間からは右手に前袈裟丸山のピークが見えた。郡界尾根コースは1415.1m三角点峰付近以外は樹林が多く、展望が得られる場所が限られる。

 後袈裟丸山から西に延びる尾根に乗って進路を東に変えて一登りで久しぶりの奥袈裟丸山山頂。たぶん登ったのは15年くらい前だと思うが、当時は山頂は三角点のような境界標石?以外は何も無く樹林に覆われて展望皆無だったが、今は樹林は刈り払われて東から南にかけて展望が得られるようになっていた。ただ、今日は下界は雲海で安蘇山塊は雲の下。赤城山も黒檜山の頭しか雲の上に出ていない。北側は樹林で展望が邪魔されるが庚申山や鋸山が見えていた。直射日光の下では少々暑いので日影で休憩。まさか晴れるとは思わなかったし、どうせ樹林帯が続くからと麦わら帽子を持ってこなかったが失敗だったかな?

 この先が本日の本番。今までは正式な登山道が存在したが、ここから奥袈裟丸山の間は踏跡程度は期待できるが基本的に登山道は無い。でもそこそこ有名どころなので藪漕ぎとまではいかないだろう。しかし、昨夜の雨で藪が濡れているので笹や木の枝葉がはみ出していたらゴアが必要だろう。案の定、出だしから笹がお出ましでゴアの上下を着用。今日は気温が低めだからいいが、真夏だったらこの格好では自分の汗で濡れてしまうだろう。

 笹があったのは日当たりのいい後袈裟丸山山頂付近のみで、少し進むと張り出した灌木が体を濡らす。この稜線は栃木側が切れ落ちた急斜面、群馬側がそれより緩い樹林帯の斜面が続くので、展望は栃木側のみ開けている個所が多い。しかし今日は雲海に沈んで何も見えないのは残念。見えるのは庚申山から奥日光の山々だけだった。

 中袈裟丸山との鞍部に向かって本格的に下り始めると、背の高いシラビソ樹林が中心となり踏跡にはみ出した枝もきれいさっぱり消えて歩きやすくなる。どこでも歩ける=ルートを失いやすいが、慣れた人なら外れることはない程度の踏跡濃さはあり、目印もそれなりの頻度で登場する。

 鞍部から登りにかかると笹が深くなり、両側から踏跡に被さっている。笹原の凹み具合でルート判別はできるが、笹が濡れているのが一番いやらしい。足元はゴアにロングスパッツで武装したが徐々に靴の中まで水がしみ込んできてしまった。でも笹の濃さは六林班峠周辺よりは薄いと言えよう。

 高度が上がると徐々に笹が薄くなり、山頂近くで笹が消えた。登りきったピークが中袈裟丸山で、後袈裟丸山と違って山頂は狭く、標識が無ければ通過してしまいそうな場所だった。茶色の手製の山頂標識のおかげで場所が確認できる。東側は背の低い灌木で展望が開けるが既にガスが上がりかけていて一面の雲海だけだ。西側は背の高い樹林で展望は無い。

 ここから奥袈裟丸山までが思ったより長かった。シラビソ樹林を下って鞍部から笹の尾根を登り返してから細かいアップダウンが連続する。樹林帯が多いので視界は少ないが既に稜線はガスの中に入ってしまい、尾根が西から北に屈曲する標高1930m肩(開けた小ピーク)に立っても周囲は真っ白だ。GPSの電源を入れると山頂までまだ400mくらいあるが、ガスでピークは見えない。

 1930m肩で踏跡は右に曲がるようだったが外してしまい、稜線西側の怪しげな筋をへつるように歩いたが、今までと比較して明らかに道が薄くなってルートミスは明らか。笹を突っ切って尾根上に出ると踏跡登場。よかったぁ。少し下ってちょっとだけまとまった登りが出現し、今度こそは山頂近しの気配が出てくる。

 傾斜が緩むと背の高いシラビソ樹林帯に突入して藪が無くなり格段に歩きやすくなるのは助かる。奥袈裟丸山よりも前にどこかに三角点があるはずなので探しながら歩いていると左手(西)に登場。特に標識や目印があるわけではないが、藪に埋もれているわけではなく周囲に邪魔ものは無いので割と目立つ存在だった。

 三角点峰から先は緩い尾根の下りだが、両側から石楠花のはみ出しが激しくゴアのズボンだけでなく上着も盛大に濡れた。ここは踏跡が無ければ石楠花藪漕ぎ区間だが、軽くであるが刈り払われているので大いに助かる。再び灌木混じりの踏跡を登りあげると奥袈裟丸山山頂。山頂の様子は中袈裟丸山と同様で狭い空間しかなく、東に開けるが西は樹林が立って展望は無い。後袈裟丸山から思ったよりも時間がががって疲れたため休憩。笹のおかげで靴の中まで濡れてしまったので不快だ。

 帰路は往路を戻る。ガスに覆われた後袈裟丸山山頂は往路と同じく無人。下っていくが登山者とは出会わず、1415.1m三角点峰下で山菜取りの人を見かけただけだった。ここまで下るとガスの層から抜け出したが、上空の雲は寒気の影響による雲かな。予報では昼過ぎからにわか雨か雷雨とのことで、内陸のこの付近は特にリスクが高いだろう。幸い、登山口に到着したときには雲の隙間から日差しがあって暑いくらいだった。

 

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